マイユ豆知識 マスタードとは
マスタードの語源には諸説ありますが、ラテン語の「ムスツム・アルデンス」がもっとも有力だとされています。“MOUT”は、「発酵前のぶどう果汁」、“ARDENS”は「燃えさかる」の意味で、つまり「燃えさかるぶどう汁」のこと。カラシの種子をつぶし、これに発酵中または発酵前の未熟ぶどう果汁か、ビネガーを加えて練り上げて作ったものがマスタードと呼ばれ、その名がそのまま植物名としても使われるようになりました。
マスタードの原料はアブラナ科の植物であるカラシ菜で、大別して黄ガラシ、黒ガラシ、白ガラシの3品種があり、ディジョンマスタードは黄ガラシと黒ガラシを混合して製造されます。和からしも黄ガラシの種子を乾燥し、砕いて作りますが、ビネガーには辛味を発生させる酵素の働きを抑える働きがあるため、水で練る和ガラシよりもマイルドなマスタードが出来上がります。
マスタードの花と種子
「ディジョンマスタードとは?」
ペースト状のマスタードの代表的存在として『ディジョンマスタード』があります。マスタードの都として名高いブルゴーニュ地方のディジョンでは、現在でも全世界のペースト状マスタードの約半分、フランス全体の80%が製造されています。マスタードの種子の外皮を除いてすりつぶし、ワインやビネガーと練り合わせて作るので、明るい色とまろやかな風味が特徴です。
1937年にはディジョンマスタードの正式な基準と名称を保護するための法律が制定され、原料として使用するカラシ菜の種類、種子の中身や種皮の割合、油分などの量、練り合わせるビネガーの種類などが決められ、この基準を満たしたものだけが、“ディジョンマスタード”と呼ばれます。 マイユのディジョンマスタードは、独自に開発した粉砕技術と濾過工程により、色はより明るく鮮やかに、舌触りはより軽くなめらかに仕上げられています。
「種入りマスタードとは?」
1720年以前の製造方法によって作られるマスタードで「Moutarde a l’ancienne」(オールドタイプマスタード)と呼ばれています。原料であるカラシの種子を細かく粉砕せず、さらに種皮も一緒に使用します。種皮には、辛味の元になる酵素がほとんど含まれていないために、その分風味のマイルドなマスタードになります。
マイユの「種入りマスタード」はぶどう汁として、ビネガーではなく白ワインで作ります。そのため、白ワインの薫りが高く、風味豊かな味が特徴です。