マイユの創意工夫

マイユの偉大な成功は女性の化粧用ビネガーから始まったとも言われています。以前には9類しかなかったビネガーを化粧用や医薬用に92種類まで増やし、その質の良さがマイユの名声をゆるぎないものにしました。

化粧用ビネガーとは、植物や花のエッセンスを加えて香りをつけたもので、髪や肌の手入れ、口臭消しなどとして、上流階級の女性達には必需品で、美しさを求める女性達は先を争うようにマイユのビネガーを求めました。 多くの顧客の中でもとりわけ有名なのは、ルイ15世の愛人であったポンパドール夫人。マイユの化粧用ビネガーを愛用、樽単位で注文していて、特に彼女のお気に入りはアニス風味ビネガーであったといわれています。

化粧用のビネガー以外にも、マイユ氏は55種類の食用のビネガーや、20種類にものぼるマスタードを発明しました。 1804年に創業者のアントワーヌ・マイユ氏は亡くなりますが、彼の創意工夫の精神は次世代へと受け継がれ、マイユは常にフランスを代表するビネガーとマスタードのメーカーとして現代に至っています。